【今すぐできる】外国人雇用におけるハラスメント対策を徹底解説

外国人雇用を始めた企業が悩む「ハラスメント」問題。

日本人に対するハラスメント対策だけで良いのか不安になりますよね。結論、海外は日本よりもハラスメントに対する意識が高く、注意が必要です。本記事では、海外のハラスメントに対する考えや、ハラスメントを防ぐための対策、レイシャルハラスメントについて解説します。ぜひ参考にしてください。

目次

海外は日本よりハラスメントに厳しい?

現在、日本では労働者を守るための法律や制度が整えられ、「ハラスメント」に対しても、厳しくなってきています。企業によっては、社内でハラスメント研修を行うなどして、対策をスタートしていますよね。

日本では最近厳しくなった印象が強いですが、実は海外では、以前から労働者の人権や環境を守るという意識が強く、ハラスメントに関しても厳しい目を向けてきました。そのため、海外から見ると、日本のハラスメントに対する意識は、まだまだ低いと感じるのです。

また、日本と海外の文化や価値観の違いから、悪気なくハラスメントをしてしまっていたというケースも少なくありません。悪気はないとはいえ、受け手側がハラスメントだと感じてしまえば、もうそれはハラスメントになってしまいます。

もし万が一、ハラスメントをしたとして訴えられてしまった場合、社内での立場がなくなり、最悪の場合解雇処分になる可能性もあります。そうならないためにも、外国人を雇う際には、考え方や価値観が違うということを理解した上で、慎重にコミュニケーションを取り、相互理解を深めていきましょう。

今すぐできる!4つのハラスメント対策

海外は日本よりもハラスメントに厳しいとお伝えしましたが、対策ができないわけではありません。

今回は、すぐにできるハラスメント対策として4つの対策をご紹介しますので、外国人雇用をスタートする予定がある、外国人を雇用している、という企業様はぜひ参考にしてください。

ただ、ハラスメント対策を意識しすぎるあまり、関係が希薄になってしまうのも勿体無いことです。初めは、慎重にコミュニケーションを取り、できる限りの対策をしておきながら、少しずつ関係性を深め、対策をゆるめて行くことも必要です。相手の様子を伺いながら、適度な対策を心がけてください。

対策①:社内教育を徹底する

まず1つ目は、「社内教育を徹底する」ことです。

ハラスメントを防ぐためには、ハラスメントを許さないというトップの姿勢と、従業員1人1人への教育が必要です。社内研修にハラスメント防止の講習を入れたり、ハラスメントをした場合の処罰を明確に決めておくなどして、社員全員の意識を高めましょう。また、定期的な社員へのアンケート調査を行うことで、被害が大きくなる前に問題を解決できる仕組みを整えることも必要でしょう。

特に外国人はどこに対してハラスメントだと感じるかわかりづらい部分があります。採用してすぐは、直属の上司以外の人(例えば、採用担当やメンターなど)が積極的にコミュニケーションを取るようにし、困ったことや嫌なことはないか、確認するようにすると良いでしょう。

対策②:ボディタッチをしない

2つ目は、「ボディタッチをしない」ことです。

日本人はそんなにボディタッチが多いイメージはないと思いますが、激励のために肩を叩いたり、握手をしたり。ただそれだけのことでも、人によっては、ハラスメントだと感じてしまう可能性もあります。特に握手やハイタッチを拒んだ場合、国や宗教の問題上できないから拒んでいる可能性も高いです。その行動に対して評価を下げたり、怒ったりしてしまうと、訴訟を起こされかねません。

もちろん、国によっては、ボディタッチが多い国もあり、人によって許容範囲は異なります。勝手な判断は危険ですので、基本的には指一本触れないぐらいの気持ちで接するのがベストです。不必要なボディタッチは避けるよう徹底してください。

対策③:文化や宗教について触れない

3つ目は、「文化や宗教について触れない」ことです。

海外では、日本よりも宗教や母国の文化を人生の軸として生活している人が多くいます。それが当たり前の生活を送ってきているため、本人に責任があることではありません。これを否定したり侮辱したりされると、自分自身をも否定されていると感じ、会話に耐えられなくなる可能性もあります。

何か自分たちと違う行動をとっていたとしても、それを深掘りするのではなく、文化の違いとして受け入れるようにしましょう。もし、日本でのマナーに反する場合は、相手の文化や宗教の話をするのではなく、日本ではこうするのがマナーです。と丁寧に伝えるようにしましょう。それを伝えた上でもどうしてもできないことがある場合は、それ以降触れないようにするのが良いでしょう。

対策④:プライベートを聞かない

最後は、「プライベートを聞かない」です。

海外では、仕事が終わった後は基本的にはプライベートな時間を過ごします。日本のように職場の人たちと飲み会やご飯に行くことは少ないです。プライベートと仕事を分けて考える人も多くいますので、会社の人にプライベートを聞かれることを嫌がる場合も多いです。休日の行動や食事など、日本では雑談やアイスブレイクに使われるような内容でも、海外の人はプライバシー侵害だと感じることもあります。

そのため、プライベートに関しては、こちらから聞かないことをお勧めします。もし、聞かれても問題ない場合や、むしろ話したいというタイプであれば、外国人側から話してきてくれるはずです。そうでない場合は、たとえ気になることがあったとしても、仕事に関係すること以外は触れないようにしましょう。

レイシャルハラスメントに注意

最後に、レイシャルハラスメントについて解説します。

レイシャルハラスメントとは「レイシャル=人種」にまつわる「ハラスメント=差別や嫌がらせ」を指します。日本でも、働く人たちの多様性が広がるにつれて人種や国籍に対する差別的発言や、侮辱するような表現が増えることが心配されています。

レイシャルハラスメントは、下記のような内容が含まれます。

  • 特定の人種や民族、国籍を理由に、暴言や侮辱、嫌がらせを行うこと
  • 理由なく日本人と外国人を分けて業務を進めたり、評価をしたりすること
  • 上司から部下といった強い立場から起こるだけでなく、部下から上司、同僚同士などさまざまな関係性の中で起こる可能性があること

このように、本人の人格や個性、能力とは関係なく、ただ人種や国籍で判断するハラスメント、「レイシャルハラスメント」にも、注意が必要です。

まとめ

ここまで、外国人雇用でのハラスメントについて、解説してきました。

日本でのハラスメント対策に加えて、さらに注意すべき点が多いですが、知っているだけでも問題は起こりづらくなるはずです。社内での研修や全従業員の意識向上も行いながら、相手の考え方や価値観を理解した上で、適切なコミュニケーションを取ることが重要です。

社内の従業員全員が働きやすい環境を作れるよう今できることから、少しずつでも行っていきましょう。

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