技能実習生の給料の手取り金額とは?現状や日本人との差を解説

外国人技能実習生制度では、技能実習生に対する報酬を日本人と同等以上に確保することが定められています。

その点、技能実習生の給与の現状が気になっている方も多いのではないでしょうか。

今回は、外国人技能実習制度の概要を紹介するとともに、技能実習生の給与に関して紹介していきます。

1:外国人技能実習制度について

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ここでまず、「そもそも技能実習制度とは?」という方に向けて、技能実習制度の概要を、解説していきます。

1-1:外国人技能実習制度とは

技能実習制度とは、最長3年の機関において、技能実習生が雇用関係の下、日本の産業・職業上の技能等の習得・習熟をすることを内容とするものです。

受け入れ方式としては、大きく企業単独型団体監理型の2つに分けられています。

団体監理型の場合、技能実習生は入国後に日本語教育、技能実習生の法的保護に必要な講義などの講習を受講する必要があり、受講後、実習実施機関との雇用関係の下で、実践的な技能等の習得を図っています。

技能習得の成果が一定水準以上に達していると認められる場合などは、「技能実習2号」への変更許可を受けることが可能となり、最長3年間の技能実習を行うことができます。

技能実習生を受け入れる際に必ず知っておくべきなのが給与や労働時間のルールです。最低賃金法によると、技能実習生の給与支払いについては、最低賃金額以上にしなければなりません。また、労働基準法によると技能実習生の労働時間については、原則として1週間あたり40時間(1日8時間)を超えないように制限が課せられています。

1-2:在留資格「技能実習」の2つの方式

外国人技能実習生を受け入れる方式は下記の2つの方式に分けることができます。

①企業単独型

実習実施機関といった本邦の企業などが海外の現地法人、合弁企業や取引再起業簿職員を受け入れて技能実習を実施する方式

②団体監理型

監理団体である商工会や中長期業団体などの営利を目的としない団体が技能実習生を受け入れ、参加の実習実施機関である企業で技能実習を実施する方式

この2つの方式はそれぞれ、技能実習生の行う活動内容により、入国後1年目の技能等を周到する活動と、2.3年目で習得した技能等に習熟するための活動とに分けられ、対応する在留資格として「技能実習」は全部で4つの区分に分けられています。

1-3:外国人技能実習生の現状

全国における技能実習生は下記の通り推移しています。

年度 令和元年10月 平成30年10月 平成29年10月
人数 383,978人 308,489人 257,788人

前年同期比は、平成30年が19.7%、令和元年が24.5%です。

年々、外国人技能実習生が加速的に増加しているものの、技能実習生の増加にともない、制度実施の課題も浮き彫りとなっています。令和元年、関東地域の労働基準監督機関では、実習実施機関に対して2,042件の監督指導が実施され、そのうち1,498件で労働基準関係法令違反が認められました。主な違反事項は、労働時間や賃金台帳、割増賃金に関する内容が上位です。

実際に労働した時間に対する賃金が支払われていなかった事例があるなど、技能実習生を受け入れる場合、労働時間や賃金に関するトラブルが生じないように注意が必要です。

2:技能実習生の給与について

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ここからは、技能実習生の給与についての現状と、年金や保険についても詳しく解説していきます。

2-1:技能実習生の給与状況

技能実習生の失踪率の全国平均は3~5%といわれており、技能実習生の失踪や途中帰国の発生数は少なくありません。

その原因として最も多いのは、低賃金であることが挙げられます。健康保険、年金、税金、家賃、水道光熱費などをひいた手取りが少ないことがトラブルにつながっています

失踪率が1%未満の企業で受け入れている技能実習生の2019年の平均手取りは157,000円であり、失踪率が高い企業をはじめとする他の企業では、この金額より低い手取りであることも考えられます。

令和2年における技能実習で働く外国人労働者の平均賃金は、16万1,700円となっています。平均年齢は27.1歳で、平均勤続年数は1.7年です。対前年増減率は2.5%であり、若干金額に増加傾向が見受けられました。外国人労働者全体の平均賃金は21万8,100円であり、技能実習で働く場合より5万円ほど高い結果となっています。

同じ年齢層の日本人との間で給料を比べてみましょう。令和2年における25~29歳の正社員男女の賃金は、24万9,600円となっています。技能実習で働く場合よりも8万5,000円ほど高い結果です。このことから、技能実習生は、日本人よりも低賃金で働いているのが分かります。

2-2:外国人技能実習生の年金・保険

技能実習生も日本人と同様に障害や死亡のリスクがあり、万が一の事態に陥れば、本人だけでなく家族の生活も崩れる可能性があります。このような観点から、技能実習生も公的年金制度に加入する必要があります

厚生年金保険の適用事業所であれば、厚生年金保険への加入義務があります。この場合、事業主が加入手続きを実施しなければなりません。厚生年金保険の適用事業所でなければ、国民年金保険への加入義務があります。この場合、技能実習生が自分で加入手続きを実施しなければなりません。

これらの保険以外にも、義務ではない任意加入の保険も存在しています。

例として挙げられるのが、「外国人技能実習生総合保険」です。事故によるケガや病気の発病を補償する保険であり、万が一のケースに治療費用保険金や死亡・後遺障害保険金、賠償責任保険金などが支払われます。

技能実習生の年金制度に関する注意点としては、日本人とは異なる制度として脱退一時金の仕組みを利用できることが挙げられます。脱退一時金とは、日本の公的年金制度から抜けるときに受け取れるお金です。ただし一時金を受け取るには、帰国から2年以内に請求しなければならず、年金加入期間が半年以上であることや、障害年金を受け取っていないことも条件とされています。

また、日本で公的年金制度に10年以上加入したときや社会保障協定の対象になるときなど、一定条件を満たしていると老齢年金を受け取れます。しかし、脱退一時金を受け取ると老齢年金が支給されなくなります。脱退一時金の受給は慎重に検討しなければなりません。

さいごに

今回の記事では、外国人技能実習制度についてと、外国人技能実習生の給与について紹介してきました。外国人技能実習生は日本人よりも低賃金で働いていることから、今後は賃金の値上げや福利厚生を充実にさせるなど、受け入れ態勢を更に柔軟にする必要があることが分かりました。給与面だけではなく、労働時間や年金・保険問題など様々な問題点もあるため、外国人がより良い環境下の日本で働いていけるように労働環境を見直す必要があるでしょう。

外国人雇用は、複雑な条件や様々な注意点があり、ハードルが高いと思われがちです。しかし、外国人雇用をサポートするプロに任せることで、想像よりもスムーズに、負担を少なく採用することは可能です。

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