「外国人雇用をしたいけどトラブルが多いのでは・・・?」「外国人従業員との間で起こるトラブルってどんなものがあるんだろう。」
そんなお悩みをお持ちの方に向けて、本記事では、外国人労働者との間で起こりやすいトラブルからその原因、対処法まで、徹底的にご紹介をしていきます。全て読んでいただければ、ある程度のトラブルには備えられるはずですので、ぜひ参考にしてください。
目次
外国人労働者との間で起こりやすいトラブルとは
まずは、外国人労働者との間で起こりやすいトラブルを4つご紹介します。
トラブル①:在留資格がない・期限切れ
まず1つ目のトラブルは、「在留資格がない・期限切れ」です。
不法就労を防ぐため、外国人労働者を雇用する際には、採用時に旅券や在留カードなどにより、在留資格を確認するという作業が必要です。これは義務付けられているため、確認漏れはあってはなりません。
これをせず、不法就労の外国人を雇用した企業には不法就労助長罪が適用となり、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される可能性があります。(出入国管理及び難民認定法第73条の2)
面接時に確認が漏れており、いざ確認してみると在留資格がなかった、期限がもうすぐ切れる、既に切れていたなどが発覚すると、大問題に繋がり兼ねません。事前に確認を怠らないようにしましょう。
トラブル②:音信不通になる
2つ目は、「音信不通になる」ことです。
理由は様々ですが、急に音信不通になり逃亡してしまう、というトラブルは少なくありません。面接日や面接前に連絡が取れなくなる場合と、勤務開始後に逃亡してしまう場合など様々です。
失踪の主な原因は、文化の違いもしくは劣悪な労働環境です。音信不通になる原因は本人だけにあるわけではなく、賃金が不十分なまま労働をさせたり、衛生面の悪い環境で労働や生活をさせたりすることにより、失踪に繋がることもあります。その場合は、企業側の対応の悪さも問題点として挙げられます。
音信不通になることを避けるには、まず労働環境を整備し、衛生面や報酬にも気を配る必要があるでしょう。
トラブル③:雇用条件で訴えられる
3つ目は「雇用条件で訴えられる」です。
これに関しては、雇用契約書を日本語だけで作成し、しっかりと説明をしたつもりだったが伝わっていなかった、などという場合に起こりやすいトラブルです。日本語が話せる外国人も増えていますが、契約書の細かい部分や難しい文章まで理解できる人は少ないはずです。そのままの状態で雇用を決めてしまうと、後から訴えられる可能性も0ではありませんので注意が必要です。
トラブル④:コミュニケーションが取れない
4つ目は「コミュニケーションが取れない」です。
コミュニケーションが取れずに、作業効率が落ちたり、業務内でのミスが増えるというトラブルもあります。特に勤務を開始して間も無い頃は、こちらから話しかけてもなかなか返答がなかったり、理解していないのにできると答えてしまったり、ということがあります。日本語が話せるとはいえ、なんでも理解できるわけではありませんので、初めはより丁寧に説明をしたり、実際にデモを行い目で見て理解をしてもらったりと、日本人に教えるときよりも多く時間を割くようにしましょう。
また、国によっては人前で怒られることに慣れておらず、一度怒られた際のことがトラウマになり心を閉ざしてしまう場合もあります。そうならないためにも、ミスをした際は怒鳴るのではなく、きちんとミスの原因を伝え、説明をするようにしてください。コミュニケーションの取り方も、人それぞれ異なりますので、しっかりと向き合うことで少しずつ関係を深めていきましょう。
トラブルが起こる原因とその解決法
外国人雇用で起こりやすいトラブルについてご紹介しましたが、では、なぜそもそも上記のようなトラブルが起こってしまうのでしょうか?その原因と、対処法についてまとめてみました。
原因①:外国人雇用に対する企業側の知識不足
まず1つ目の原因は、「外国人雇用に対する企業側の知識不足」です。
トラブル①のような在留資格の確認もそうですが、外国人の受け入れ拡大のために、雇用に関する法令や精度は頻繁に改正されています。そして年々複雑化しているため、雇用側も勉強が必要です。この知識が不足していると、会社の問題に発展してしまったり、外国人従業員本人にも、影響が出てしまう可能性もあります。
【解決法】
この原因を解決するには、まず企業側、採用担当者が、外国人雇用に関する正しい知識を身につける必要があります。1から全て勉強するのが難しい、そんな時間がない、という方は、外国人雇用をサポートしているサポート会社や人材会社に相談すれば、外国人雇用のプロから、正しい手続きの流れや採用までのサポートを受けることが可能ですので取り入れても良いでしょう。
原因②:文化や価値観のズレ
2つ目の原因は、「文化や価値観のズレ」です。
海外と日本の文化や価値観の違いがあることは当たり前ですが、それを押し付けることが問題です。日本ではそれが普通だからと、外国人従業員にも押し付けてしまうと、居心地が悪くなったり、ハラスメントだと感じてしまう原因にもなります。そうなると環境が合わないからと言って、早期退職や失踪に繋がり兼ねませんので注意が必要です。
【解決法】
そもそも違いがあるということを理解し、採用した外国人従業員の母国の文化や特徴を事前に全社員に周知させる必要があります。相手の文化を理解する姿勢を見せていれば、信頼度も上がり、コミュニケーションが取りやすくなるはずです。
また、面接時には、自社の情報だけでなく、日本の企業文化や、労働の基準を伝え、理解してもらうようにしましょう。事前に説明しておかないと、思っていたのと違う、と言われかねませんので、丁寧に説明しておきましょう。
ハラスメントに関しては、下記の記事でもご紹介しているので、参考にしてください。
原因③:契約や就業規則の理解ができていない
3つ目は、「契約や就業規則の理解ができていない」ことです。
いくら日本語を話せる外国人を採用したとしても、外国語の契約書を理解するのはかなり難易度が高いです。私たちが海外に行くことを想像してもわかりますが、母国語でも難しいような固い文章を理解できるとは到底思えません。しかし、早く仕事を決めたい、面接に受かりたいなどの想いから、理解仕切れていないまま、労働を開始してしまう人も多いのが現状です。
【解決法】
解決法としては、採用する従業員の、母国語もしくは英語での契約書や就業規則を準備するのが良いでしょう。また、日本語のものでも、漢字がある場合は、ふりがなを振っておくと理解してもらいやすいです。さらに、可能であれば、面接に通訳や同じ国出身の先輩を同席させると良いです。面接時に、不安や疑問点をすぐに解消できるので、認識の違いが生じにくいです。
原因④:言語の壁により意思疎通が難しい
4つ目は、「言語の壁により意思疎通が難しい」ということです。
外国人従業員と、既に働いている日本人のコミュニケーションは「異文化コミュニケーション」にあたります。
言葉もジェスチャーも、正しく伝わることもあれば、そうで無いことも多くあります。日本人であれば伝わる伝え方をしても、違う捉え方をしてしまう可能性も大いにあります。その結果、意思疎通ができず、トラブルに繋がってしまうのです。
【解決法】
これに関しては、現場で使う教育資料を母国語もしくは英語で作成したり、必ず正しく伝えなければならない事項がある場合はわかりやすくまとめたマニュアルを用意するなどして対策しましょう。また、ずっと外国語のサポートをし続けると、1つ教えるのにも時間がかかるので、並行して日本語学習のサポートもすると良いでしょう。
こうすることにより、早期に会社の即戦力となり、企業の業績も上がるという好循環が期待できます。最初は用意するのが面倒かもしれませんが、大きな問題に繋がるか、会社がより良くなるかは、この細かい言語サポートによって大きく左右されますので、怠らないようにしましょう。
まとめ
本記事では、外国人従業員との間で起こりやすいトラブルとその原因、解決法までご紹介しました。
事前に起こりやすいトラブルを知っておくだけでも、備えることができるようになります。今一度、必要な準備やさらに取り組める内容があった場合はぜひ取り入れてみてください。
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