【外国人雇用企業インタビュー】~ 株式会社栄ライト工業所 ~

外国人人材の雇用1万人を目指すONE TEAMプロジェクト。

人手不足や国際化が進む現在、日本企業からの注目も集まっています。

【外国人雇用企業インタビュー】
実際に外国人人材を雇用している企業様に、採用のきっかけや注意点、採用するメリットなどを伺い、紹介していきます。

まず、今回は、株式会社栄ライト工業所 の代表取締役 江守 敦さんにお話を伺いました。

外国人人材雇用のリアルな声や、仕事中の様子をお届けします。

外国人人材採用を検討中の企業様や、人材不足にお困りの企業様の参考になると幸いです。

インタビュー

学生
貴社はどのような会社ですか?

江守さん

大阪の大東市で可塑性のプラスチック射出成形を営んでおります。射出成形の金型の開発から量産までの仕事を請け負っております。 創業は、1938年で、83年間ものあいだプラスチックに関わる製造をしております。 主に白物家電の洗濯機・食器洗い機・冷蔵庫・炊飯器、またプリンター部品、自動車部品の小物部品を製造しております。大手の家電メーカー、印刷メーカー、自動車メーカーから仕事をいただき、寸法品質要求の高い精度モノの製品を製造しております。

「品質は命」という創業当時からの理念を元に、お客様に安心していただけるために、どんな努力も惜しまず、品質力を徹底して向上されています。「昨日よりも今日、今日よりも明日」、品質力を上げ続けているのが、栄ライト工業所です。

学生
貴社の強みはなんですか?

江守さん

近年、プラスチック射出成形品も要求される品質が大幅にアップしてきております。ですので、最新の機械、最新の測定器、また他社にはないIoTシステムを導入し、最新のモノづくりに常にチャレンジしている工場であります。IoTシステムによって、工場で働いている人たち誰もが、いつでも、どこでも、工場の現在地・問題を把握することができるようになっておりますので、品質ロス、作業時間ロス、開発時間の短縮によるコスト・品質メリットなどでお客様には評価していただいております。昨今の、労働時間・残業時間の問題にもこのIoTシステムを利用して働く人たちにも負担のないシフトを組んで工場を操業しております。これらの甲斐もあってか、世の中では若者の製造業離れが叫ばれておりますが、当社では、そのようなことは全くなく若者が中心となって活気のある現場を作ってくれております。

製造業は若者の採用が難しいと言われる中、若者が中心となった現場を作られているというのが驚きです。それも品質向上に努力を惜しまなかった結果なのでしょうか。最新のものづくりかつ働く人に負担がないシフト、理想の職場環境ですね。

学生
外国人人材を採用しようと思ったきっかけは?

江守さん

当社は、プラスチック射出成形の工場ですので、基本的に24時間稼働です。昼勤8時から20時、夜勤20時から8時までの2交代制でシフトを組んでおります。そうなったときにどうしても夜勤がある前提で人を採用することは、非常に悩ましい問題となっておりました。近年の品質の要求のレベルの大幅アップの中、どの時間帯の製品もその品質要求をクリアしていかなければなりません。現場力のレベルの高い人を配置していかないとその品質要求はクリアできません。そのためには、昼勤時の現場を質の高い教育ができる環境体制を作る必要がどうしてもありました。この環境を構築するにあたって必要なことは、シフトを安定させて夜勤時に不安なく製造できる環境を作ることが急務でした。このときに「休まない」、「決められたことをしっかりこなしてくれる」外国人人材の採用をチャレンジしようと思いました。

夜勤がある上に品質を担保するとなると採用は難しくなりますね。外国人人材は、仕事に対する意欲も高く、非常に向上心も高いです。ここで採用に踏み切られたことは、今後を大きく変える大切な決断だったのではないでしょうか。

学生
採用の際、言語力以外に重視しているポイントはありますか?

江守さん

我々の工場は量産工場です。一品一様の製品を製造するのではなく、同じものを大量に製造するという工場です。このとき必要な能力は、①休まない②ルールをきちんと守る③業務にバラつきがない、ということです。ですので、採用するときに重視しているポイントは、仕事に対する姿勢とお金に対する姿勢を重視しております。具体的には、仕事に対して責任感と学ぼうとする意識があるかと、稼いだお金の使い道に対しては重要視しております。この辺りは重要視しておりますが、実際は面接しても分からないので、今までの経験から地方出身で仕送りが必要な人、あと面接時に素直そうでどんな仕事でも頑張りますよという雰囲気がある人を選んでおります。

ここに関しても、外国人人材であるべき理由が汲み取れますね。仕事に対する姿勢も、勤勉で真面目に仕事に向き合う外国人人材が合っていますし、かつ家族への仕送りのために日本で働きたいという人も多いので、マッチしているように思います。

学生
外国人人材ならではの課題や注意点はありますか?

江守さん
当社では、外国人だからという課題はあまりありません。これは、実習生の人に対して問題がないと言っているのではなく、外国人人材でも日本人人材でも課題や注意点はあるということなんです。どのお会社さんでも同じだと思いますが、日本人だからといって、一度教えたら全てできるということはまずありません。外国人人材であろうが日本人人材であろうが、しっかり教育できる環境を作れば大丈夫だと思います。ただ注意しているところは、外国人人材の失敗は、外国人人材の失敗ではなく、教育している日本人人材の失敗だということを会社で徹底しているところです。人に教える責任と難しさを日本人人材全てに感じてもらい、お互いが成長できる現場になっております。

外国人人材を採用するメリットとして、日本人人材の教育の力や向上心が上がるということもよく言われます。まさに江守さんがおっしゃるように、お互いが成長できる環境にすることが、会社にとっても従業員にとっても重要なポイントになりますね。

学生
外国人人材の採用を検討している企業へメッセージをお願いします。

江守さん
当社も外国人人材を採用する前は、日本人社員の人をどのように成長させていけばよいのかを試行錯誤してやっておりましたが、中々うまくいきませんでした。厳しく指導すれば、萎縮するし、辞めるし、また採用という悪循環でした。外国人人材を雇用してからは、簡単ではあるが、毎日やらなければならない決まった作業を外国人人材にまかせることにしました。彼らにとっては、それらの仕事は新鮮で学べる仕事なのです。一所懸命やってもらえます。そうすると、日本人人材には、より高度な仕事にチャレンジしてもらえる環境ができました。チャレンジできない人材は会社を去りましたが、現在残っている人材は、日々成長して会社に貢献してくれます。外国人人材がいない当時では、考えられないくらいの現場に成長しました。皆様ご存じの通り、現場が安定すれば、会社は急成長します。外国人人材雇用は、その歯車の第一歩になるのは、間違いないと思います。

まさに外国人人材の採用に成功されている事例ですね。外国人人材採用には不安もあると思いますが、それ以上にメリットが大きいことがこの回答からもわかります。

株式会社栄ライト工業所 の代表取締役 江守 敦さん、インタビューにご協力いただきありがとうございました!

実際に外国人を雇用している企業や日本で働く外国人と交流がしてみたい、質問や気になることがある!という方へ向けて、交流会イベントも開催しております。オンラインでもお気軽にご参加いただけますので、こちらもぜひご確認くださいませ。
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